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The X Prize

About the world's first space aviation prize

宇宙観光がビジネスになる日 G・ハリー・スタイン著 「よりやすくとり早く」への転換史

今年の夏、米国の火星探査機「マーズ・パスファインダー」が送ってくる火星 表面の生々しい画像が世界中の人々の心をとらえた。同時に我々を驚かせたの は、二十年前の火星探査計画に比べて焼く十分の一という低予算で成功させたと いう事実だった。

本書は火星探査機にこそ触れていないものの、単段式宇宙往還機(SSTO)開発 の  明な記録を通し、コストと開発期間が肥大した米国の宇宙開発が「より良 く、より安く、より早く」という理念に転換した歴史を描いている。

著者は米国が旧ソ連の競争を優先し、宇宙開発の長距離ミサイルを応用した使 い捨てロケットを採用したことが、経済てきに優れている宇宙往還機の開発を遅 らせたと説く。前半部分では、宇宙輸送の主役をロケットに奪われた宇宙往還機 開発計画が受けた政治的、財政的な圧力に触れている。登場人物はすべて実名 だ。

後半では、べい航空宇宙局(NASA)による組織の維持を目的とする宇宙開発の 独占状態を改め、宇宙輸送を使い捨てのロケットから宇宙往還機に切り替えれ ば、宇宙輸送のコストは劇的に下がると主張する。著者は十年以内に衛生の打ち 上げ費用が百六十万ドル(約二億円)と現在の約五十分の一になり、二百万円以 下で宇宙旅行ができるようになると試算する。

著者の予言が的中するかどうかはともかく、NASAや政府関係者、メーカーが宇 宙開発で「スピードとコストダウン」を掲げるまでに至る葛藤(かっとう)を描 いた部分は、今後の日本の宇宙開発を考える上で大いに参考になるはずだ。

飛氷三器訳。三田出版会・二千四百円。

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